たまたま目に入った写真です。
どこかは不明ですが、実際に保健所で働いている人たちの声だそうです。
私は思います。
犬は絶対に必要なものじゃありません。
贅沢なものです。
そして、私たちと同じように心があって、痛みも感じて、意思があります。
犬がつらい目にあっても、痛い思いをしても、寒くても、暑くても、お腹がペコペコでも、しゃべれないから、伝えることができません。
突然知らない檻の中に入れられて、炭酸ガスで苦しみながら窒息死させられるなんて。
自分が、自分の家族が同じ目にあったら、我慢できるはずがありません。
なぜ、殺処分される動物たちが、いなくならないのか。
保健所の人が悪いのではありません。
犬に関わる私たち、犬を飼う私たち一人一人に問題があるからです。
殺処分からレスキューされた犬達や、繁殖のために使い捨てにされ、保護された犬達と向き合う時、人が良ければそれでいい、私たちのせいで生まれた犠牲達だと思っています。
何もできない自分を、責めずにはいられません。
ペットショップに並ぶ仔犬の母犬達の多くは、体がぼろぼろになるまで仔犬を産まされ、使い捨てにされます。
ペットショップに並んでいる仔犬たちは本当に愛らしいですが、その親たちの多くは、ゲージに入れられたまま、最低限の粗悪な給餌のみで、自由運動も日に当たることもなく、皮膚病になっても怪我をしても、治療もしてもらえません。
実際に、繁殖犬をレスキューしている方が撮影した廃用犬の写真を見せて頂きましたが、糞尿まみれで、犬種の特定もできないほどの状態の犬ばかり。
積み重ねられたゲージに、身動きのできない状態で生活している犬達の写真でした。
私たちがケアをさせて頂いている犬達の中にも、脱臼したり怪我をしても、治療されずに長期間放置され、関節が固まってしまい、通常歩行や排せつも上手にできないわんちゃんもいます。
そして、度重なる出産のために、体がぼろぼろになり、繁殖犬のほとんどは、歯がぼろぼろで、あごの骨も弱くなっているため、トリミングの際の保定にも、痛めないように細心の注意を払います。
そしてまた、ペットショップに並ぶ仔犬たちも、すべての犬が迎えられるわけではありません。
たくさんの犬達が売れ残っているのを目にする方も多いと思いますが、その犬達がどうなるのか。。。販売している側は公表しません。
安易に、衝動的に購入できる事が、飼育放棄につながることも否めません。
より豊かな生活のために、犬を迎えようと思われた時、犬を手に入れる手段は他にもあります。
救うという選択肢を多くの方に知っていただきたいと思っています。
どうしても、仔犬を迎えたいと思われる方は、十数年共に暮らす家族を迎えるのですから、直接足を運び、熟慮してブリーダーを選んでいただきたいと願います。
母犬や兄弟犬と引き離さずに飼育していること。
自由運動のできる環境があること。
飼育環境が清潔で、温度管理がされ、日に当たる場所があり、人の目が行き届いていること。
飼育犬達すべてが、清潔で生き生きとしていること等を、確認させてくれること。
産ませた仔犬を競りに出していないこと。(ペットショップに卸していないこと)
仔犬を迎えるメリットや仔犬の愛らしさを売りにせず、生き物の飼育には大変なお金や労力がかかることなどの説明をし、「本当に、このこを生涯大切にしてくださいますか」と聞いてくれる所を選んでほしいのです。
そうすることで、自分で作り出した命に責任を持ち、大切に飼育をするブリーダーを支持することができ、乱繁殖による遺伝性疾患の蔓延を防ぐことになります。
犬を迎える側が賢くなることで、不幸な命を作り出さないことに繋がります。
私が初めて迎えた犬は、何も知らずにペットショップで購入しました。
ペットショップから犬を迎えた方を責めたいのではありません。
迎えた命を、生涯大切にしてくださることが、何よりの願いです。
犬のおかげで糧を得るトリマーとして、本当に犬を大切に思う愛犬家として。
知ることで防げる不幸があるかもしれないと思えばこそ、伝え続けたいのです。
犬の流通の現状や、殺処分の記事を書くことで、お客様にいやな思いをさせてしまうかもしれないと思うと、本当に心苦しく、いつも不安でもあります。
嫌な気持ちにさせてしまったら、本当に、申し訳ありません。
それでも、私は、毎日出会う犬達を大切にして、犬の立場に立ったトリミングを行うトリマーを育て、犬に携わる者として、動物愛護の活動を次の世代に受け継いでもらえるトリマーを育てていきたい。
トリマーとして犬を愛するお客様に伝え続ける事で、不幸な犬を作り出さない社会を目指したいと思っております。
以前、何かの記事で読んだ言葉が、いつも私の頭に貼り付いています。
「生体繁殖・販売業者が蛇口。
行政による殺処分が排水溝。」
蛇口をひねり続ける限り、排水溝には悲しい水が流れ続けます。
たくさんの人達が、少しずつ少しずつ、水をすくっているけれど、それでも溢れ出る大量の水は、排水溝に流れ続けます。
私は、その蛇口から出る水の量を、少しでも減らしたいのです。
1人でも多くの人が、その蛇口を閉めてくれたら、いつか、排水溝に流れる水がなくなるかもしれません。
犬や猫を終生飼育された経験のある方には、ご理解いただけると思いますが、仔犬から飼育したからかわいいのではなく、血統証がついているから、かわいいのではないと思います。
どんな動物でも、あなたがいつくしむからこそ、大切にするからこそ、愛おしいのです。