サマーカットの注意点

 

夏が近づくと、サマーカットのご要望が増えます。

暑い季節は、できるだけ涼しく過ごさせてあげたいですよね(*^_^*)

 

毎年お客様よりいつ頃サマーカットにしようかな?とご質問を頂くことが多いです☆

活発で暑がりなワンちゃんは、気温20度を超える気候になった5月頃から短いスタイルにチェンジするワンちゃんが多いです。

行楽シーズンに沢山遊べるように被毛の絡みが気になりにくい長さにしたい、お散歩時の草の種が付くので、簡単に取れる長さにしたいというご要望が5月頃から増えます★

高齢犬や寒がりのワンちゃん、体調を壊しやすいワンちゃんなどは、梅雨明け頃をお勧めしています(^^)

 

犬のサマーカットとは、バリカンを使用して短くカットをするスタイルの事を言います。

プードルやシュナウザー・シーズーなど、いつもバリカンでトリミングしているワンちゃんも、冬は8~10mmで、夏は5ミリ~3ミリなどと、季節に合わせて長さを変えるワンちゃんも多いです。

チワワやダックスのロングコートをスムース風にしたり、ライオンカットにしたり、ポメラニアンを柴犬風にしたり、アレンジも様々で新鮮なスタイルを楽しむことができるのですが、注意点もございます☆

1、紫外線の影響を受けやすくなります。

被毛に守られている犬の皮膚は人よりもずっと弱いです。
紫外線によるダメージを軽減するために、短くカットしたときは、外出時には薄いTシャツなどを着せてあげてください。
人も直に太陽が当たるとじりじりしますが、薄い布があったている方が暑くありません。
被毛の短い場所と長い場所では、日焼けによる肌の色やシミのでき方にも違いが見られます。

 

2、摩擦やひっかきなどによる怪我をしやすくなります。

お散歩時に木の枝や葉っぱなどで擦り傷を負ったり、他のワンちゃん猫ちゃんと遊んでいて傷を負いやすくなります。

活発なワンちゃんは紫外線対策同様に、お洋服などで守ってあげてください。

 

3、毛質が変わる・被毛が生えてこなくなってしまうことがあります。

バリカンのミリ数にもよりますし、犬種や毛質により一概には言えませんが、短くバリカンを入れ続けることによって、毛が軟毛化・又は部分的に硬い被毛になったり、縮れたり、毛色に変化がみられることがあります。
ダックス・チワワ・パピヨン・柴犬などのダブルコートの場合時々見られます。
特に、ポメラニアン・シェルティなどのダブルコートは、元のフルコートに戻るまでにかなりの時間がかかり、サマーカット後の愛らしさを保つために定期的なトリミングを要します。
たった一度のサマーカットで被毛が戻らなくなってしまうワンちゃんもいます。または、何度かバリカンカットをして毛質に変化がなく、前年サマーカットをして何ともなかったワンちゃんも、次のカットで突然被毛が戻らなくなってしまうこともあります。
シニア犬の場合は特に代謝が落ちるため、元の被毛に戻らないことがあります。
シングルコートのプードルなどでも、継続してバリカンを使用するボディの被毛は巻が強くなったり、硬い毛が混じってきたりします。

 

特にトリミングの影響を受けやすい、ポメラニアン、シェルティ又はそれに近い毛質の長毛犬、秋田犬・柴等の中毛種やビーグル・パグ等の短毛種のバリカンによるカットは皮膚病などのお悩みがない場合には、特におすすめできません。
ポメラニアンやシェルティーは、犬種の特徴ともいえる被毛の美しさが損なわれることが多いです。

トリミング後に原因不明の脱毛症に悩むポメラニアンは多く、ポメラニアンの柴犬カットをご要望のお客様には必ずご説明の上で施術させて頂いております。

ポメラニアンに多い(他犬種にも起こります)の原因不明の脱毛症は「アロペシアX」と呼ばれ、バリカンでのサマーカットだけでなく、ハサミで形を整える程度のトリミングでも起こることもあり、皮膚が露出するほど被毛が無くなってしまう症状がみられ、確実な治療法・回復法がないため悩まれる方が多く、ネット上でも画像など多く見受けられます。

個体差がありますが、バリカンで短く刈り上げるサマーカットには、デメリットがあることをご理解頂いた上でご検討下さい_(._.)_

カットをしなくても、毛玉のある場所やけがをした場所に、まったく違う色の毛が生えてきたり、カラーやハーネスの摩擦により、そこだけ太い毛になったり毛が生えてこなくなることもあります。
被毛の状態の変化は、日常の手入れの仕方や、毛玉、年齢、犬種、フード、ホルモン系の基礎疾患など、様々な要素があります。

シニア犬の場合や病気で体力の落ちたワンちゃんは、元に戻るのにもっとかかる又は、毛質が変化したままだったり元の長さに戻らないこともあります。

 

美しい毛並みにこだわる方は、あまり短いカットをせずにこまめなお手入れをおすすめしています。
ただ、被毛の長さが長くなるほど絡みやすく、毛玉は犬に苦痛を与え皮膚被毛にもダメージを与えます。美しい長い被毛を維持するスタイルの場合には、3週間以内でのご来店がベストです。

また、ご自宅でのお手入れが必須となりますので、お家でのグルーミングが犬にとって負担にならないことを考慮頂き、見た目の愛らしさよりも、犬の負担にならないことを最優先にご判断下さい。

被毛の絡みにより痛い思いをすると、犬はどんどんグルーミングが苦手になり、一生付き合っていくお手入れが辛いことになってしまいます。
ブラッシングは絡んでからするのではなく、絡まないようにすることが大切です☆

もちろん、サマーカットにはメリットも沢山あります☆

わんちゃんをお手入れしやすく清潔に保つことで、皮膚病の予防や、体調・皮膚の状態を確認しやすくなります。
皮膚トラブルの起きやすいワンちゃんは、短いカットで清潔にして観察しやすい&治療しやすいスタイルが◎
また、お手入れに時間をかけられない方や、お手入れが苦手で負担になってしまうワンちゃんの場合、毛玉や抜け毛の蓄積による苦痛や皮膚病リスクを軽減するために、スッキリと短いカットの方がストレスを軽減できるのでお勧めしています。

体力に不安のあるシニア犬や持病のある犬、グルーミングが苦手な犬の場合には、負担を軽減するために短いスタイルの方がメリットが大きいです。

被毛は、犬体を守るために生えているものなので、sweet dog’s で行うサマーカットは3mmまでとさせていただいております。
(例外として、皮膚病を抱えていたり、皮膚に密着する毛玉を除去する場合、介護の必要なわんちゃんを清潔に保つためのトリミングの時には、それ以下を使用することもあります)
毛質の変化を少しでも抑えたい場合には、ハサミ仕上げでのアウトラインカットやバリカンのミリ数を大きくするなど提案させて頂きます。
オーナー様のお好みやわんちゃんのライフスタイルに合わせて、快適に過ごせるようにご希望をお伝えください♫

 

毛質にこだわらずいつも清潔に維持したい方、活発なワンちゃんのグルーミングストレスを最小限にしてあげたい方、皮膚炎の起きやすいワンちゃんの状態を常に観察したい方は毎回スッキリとカットをされている方も多いです。
ワンちゃんのスタイルのお好みは、お客様により様々です。
お悩みや不安なことがありましたら、お気軽にお伝えください(・∀・)つ!

 

宇都宮 犬のトリミングサロン sweet dog’s